第15期 第6回

平成31年度 第15期

7月6日 文様を描く
    講師 樹下 龍児 先生

今年最初の文様教室では、夏にちなんで「貝尽し文様」を彩色いたしました。子ども達は、能装束に表された貝文様に取り組むにあたり、先生にお持ち頂いた貝殻コレクションを見て、小さな貝のひとつひとつ全てに違う模様がほどこされていることを観察いたしました。図録で見た能装束は「唐織 紅茶白段青海波貝尽文様」(18世紀)、400年あまり昔の図案職人が、それぞれ自然の貝の特徴を観察した上で文様化した色と形を学びました。 床の間の花はユリ科の多年草、萱草(かんぞう)です。

《季節の便り》

こよみによると七月二日は半夏生。「半夏」と呼ぶ毒草が生える日です。昔はこの草の毒気を心配して、畑の作物はとることを控え、井戸には前の日からふたをする習慣があったそうです。半夏の正式名はカラスビシャク(烏柄杓)といって、昔の人の懸念をよそに、たいした毒もない畑の雑草らしいのですが。まぎらわしいことに、毒の?半夏とは関係のない水辺に自生するハンゲショウという植物があります。葉の一部だけおしろいを引いたように白くなることから、「半化粧」と呼ばれるようになりました。奇しくも半夏生の季節に花を咲かせるハンゲショウなのです。