平成31年度 第15期
1月18日 笛を吹く
講師 一噌 隆之 先生

能で使われる笛は能管と言って竹で出来ていること、指で押さえる穴は全部で七つあることを学びました。先生に吹き方を教わって実際に吹いてみますが、笛は先ず音が出るようになるまでが大変です。大きく息を吸って吹く、また息を吸って吹くを繰り返しているうちにくたびれてしまうので、笛の音色を言葉で歌う唱歌(しょうが)や先生の笛を聴くなどを織り交ぜながら能管に親しみました。 床の間の花は水仙です。
《季節の便り》
干支はひと回りして子年が始まりました。ねずみは良くも悪くも人にとっては身近な生き物なので明暗のくっきり分かれるイメージを持っています。文化教室では「着物」や「組紐」の回に繭玉を見て触れて、蚕から絹の糸をとる過程を学びましたが、この蚕にとってねずみは天敵。養蚕の盛んな地方ではその名を口にするのも憚り代わりに「嫁が君」とこっそり言ったのだそうです。忌み言葉というものですね。「あんどんの油なめけり嫁が君」とは正岡子規の句。蚕や穀物を食い荒らすねずみは忌み嫌われる一方で、伝説の中では因幡の白兎で有名な大国主、七福神の大黒様の危機を救ったことから大黒様の使いとしても知られています。