第15期 第10回

平成31年度 第15期

9月7日 着物に親しむ
     講師 髙橋 泰三 先生

着物に親しむ、とはよく考えると残念なこと。ここ何十年かの間に、これほど洋服一辺倒になり、住まいにおいても畳の部屋は減って行く一方、この流れはもう止まれないように思います。お教室では、今となっては大変な貴重品になってしまった絹糸の生産から、反物に織って刺繍をほどこし着物に仕立てる過程を学びました。そうして出来上がる着物に触れ、また実際に袖を通してもみました。 床の間の花は芙蓉です。

《季節の便り》

萩、すすき、葛、なでしこ、女郎花、藤袴、桔梗。これが秋の七草と云われれば、そうかと思うばかりですが、始まりが奈良時代までも遡ると聞くとなかなかの感慨が湧いてきます。 秋の野に咲きたる花を指(および)折り かき数ふれば七草の花 萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花    山上憶良「万葉集」 「尾花」はすすき、「朝顔の花」は桔梗のこと。桔梗は日本の野山に自生する花であるのに漢語の名前が定着しているのは、桔梗が薬用植物だからだそうです。横文字で記されると何となく有り難い気持ちになる?現代人と同じく昔の人は漢語でいった方が効きめがありそうに考えたのです。