第15期 第1回

4月13日  ご挨拶の作法・能に親しむ
     講師 柏山 聡子 先生

今年も「子どものための日本文化教室」を無事に始めることができました。
例年通り、初回は襖の開け閉て、畳に正座してお辞儀の仕方からお稽古が始まりました。
新天皇即位が近いということで、謡は「鶴亀」の一節を習いました。中国古代の皇帝の御代を寿ぐおめでたいお能です。
床の間の花は、つつじでした。

《季節の便り》

日本人のサクラ好きは平安時代からの伝統ですが、明治初年にソメイヨシノが東京から全国に広がり、今では日本の桜の8割を占めるそうです。徳川家康の相談役・天海僧正が吉野から取り寄せた上野のヤマザクラも、八代将軍吉宗が植えた向島、飛鳥山のヤマザクラも今では大半がソメイヨシノになってしまいました。文化教室の初回はいつもサクラの出席シールを用意しておりますが、今年は昔の人が愛でたヤマザクラにしてみました。淡い桜色の花と赤みを帯びた葉。今となっては珍しくなってしまったヤマザクラを見ると、平安の昔から長きに渡り日本人の目に愛でられてきた歴史が思われ、よりゆかしく感じられます。